遺産分割で不動産の評価が問題になりやすい

相続財産がすべて金銭なら遺産分割も比較的楽ですが、不動産の場合には遺産分割で評価が問題になりやすいです。
不動産の評価は、相続税を計算するための基準は明確に定められているのですが、遺産分割協議に関しては不動産の評価方法は決まっていません。
その為、相続人同士の話し合いに委ねられることになるので、相続人それぞれが自分の都合により評価方法を主張して、その結果対立する可能性も考えられます。

参考サイト:相続のトラブルの解決法について

実は、不動産は一物四価と呼ばれていて、主な評価方法として時価・公示価格・固定資産税評価・路線価といった評価方法があって、同じ対象物でも様々な価格になってしまうのです。
時価は実際に市場に出して売買した時に売れる価格のことで、これは時代や周辺環境など様々な条件により大きく変化する可能性があります。
公示価格は国土交通省が標準地を基準として選定した土地について、毎年1月1日時点の地価を不動産鑑定士の評価に基づいて毎年3月下旬に公表するものです。
固定資産税評価は固定資産税課税のための基礎となる評価額のことで、3年ごとに市区町村長が評価替えを実施して、不動産取得税や登録免許税などの税金の指標として用いられます。
路線価は路線価図で調べることができる土地価格で、相続税や贈与税の指標として使用されます。

これらのうちでどの価格を用いるか自体の意見がまとまらない場合には遺産分割ができないことになりますし、最終的には調停や裁判などに発展してしまうケースもあります。
ただ遺産分割が問題なく実施された場合には、相続税のことを考えなくてはならないので、財産評価基準書や不動産の評価方法について知っておく必要もあります。

相続税などを計算する時の基準になる?

財産評価基準書は、毎年国税庁が決定して公開しているもので、相続税や贈与税を計算する時の基準となる路線価・倍率・各種割合・地区区分などを記載しています。
この財産評価基準は毎年公開されているため、毎年の路線価の変化を知る参考になりますし、先にも触れましたが様々な計算が行われるにあたっての参考にもなるのです。

路線価については国税庁が取り決めているものですが、公示されている地価や鑑定による評価された価額、実際の売買価額などを加味しています。
このように市場の動きや関係者の声を加味していますが、公示価格の約8割程度というのがひとつの目安で、実際の市場価格からは2〜3割ほど低くなっているのです。
不動産が相続財産となる時の評価額を計算する際に財産評価基準を参考にしますが、土地の評価については市街化区域など路線価のある地域は路線価方式で、市街化調整区域などでは倍率方式により算出します。
ちなみに財産評価基準書は、国税庁のホームページなどで手軽に閲覧できるので必要な時には活用すると良いです。

土地は財産評価基本通達に基づいて評価

相続することになる土地の相続税の計算は、原則として相続する時点での時価により課税されますが、税務申告の実務で土地の時価は財産評価基本通達に基づいて評価するのです。
土地の評価方法には路線価方式と倍率方式があって、どちらで評価するのかを判定するためには財産評価基準書で確認する必要があります。

その結果、路線価方式によるべき旨が記載されている場合には、対象となる土地の所在地の路線価図を調べることになります。
この路線価というのは土地の1?当たりの金額で、土地の公示価格の約80%程度で設定されて毎年8月頃に国税庁より公表されています。
路線価を用いて土地の評価をする路線価方式ですが、土地は利用形態により自用地・貸家建付地・貸宅地に区分されて、その利用形態で計算方法も異なります。

自己が使用している土地の自用地は、評価対象の土地に接す道路の路線価に、様々な補正を加えて宅地の地積を乗じて計算した金額が評価額となります。
貸している土地となる貸宅地は、先の自用地価額から借地権価額を控除した価額が評価額となります。
貸家目的とで使用されている土地の貸家建付地は、自用地評価額×(1−借地権割合×借家権割合×賃貸割合)といった算式で計算します。
この借地権割合は地域で異なるので、路線価図で該当地の割合を確認する必要がありますし、貸家が空いていて土地の利用を制限する借家人がいない場合は自用地評価となります。
また一部に空室がある場合は、実際に賃貸している部分の割合のみを考慮することになります。

郊外での土地の評価方法はどうなる?

路線価がある市街地の土地に関しては、先の路線価方式を適用することになりますが、郊外の土地を同じ方法で評価すると問題が生じるので別の方法を採用します。
路線価がない市街地以外の場所では、評価倍率と固定資産税評価額をかけ合わせて評価額を算定する倍率方式という方法で土地を評価します。
ちなみに、この評価倍率は財産評価基準書で公表されていて、国税庁のホームページで確認できますし、固定資産税評価額は固定資産税評価証明書に記載されています。

相続税の計算についてのシミュレーション